【ビオトープ】入れてはいけない生き物の特徴と入れてしまった場合の対策について

ザリガニ DIYでビオトープ
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ビオトープに入れてしまった敵や入れてはいけない敵は相手の特徴に合わせて迎え撃とう!

「庭にビオトープを作ろう!」と思ったときから、さまざまな敵が襲ってきます。それは、ビオトープが完成した後も続きます。

敵の種類は様々ですが、敵に合わせた対処方法を取らないと、収集がつかなくなります。

これを読んだ方は、できるだけ敵にならないように最初から敵を作らないようにしていただきたいと思います。

生き物

池や水田などで生き物を捕まえて持って帰ったりしますが、ここでも注意を要します。

これらの生き物は簡単に増殖するものが多いのです。最初は育って増えてくると嬉しいものですが、増えすぎると、生態系のバランスが著しく損なわれます。

また、駆除することは大変ですので、生き物は吟味してビオトープに放り込んだ方がいいと思います。

採ってきた生き物を持って帰ることはダメだという方がいますが、採集レベルの問題だと思います。商売人と遊びで採集している子どもを同列に扱うことに疑問を感じます。

肉食熱帯魚の餌のためにメダカを取ることはダメなラインを越えていると思いますが、子どもが捕まえて自分で飼うためであれば、生き物を持って帰ったとしても大きな問題があるとは思えません。実際、住居と同じ河川水域の生き物を持って帰ることに問題があるとは思えません。(自然界で生きていたのにビオトープに閉じ込めるという意味では問題ですが…)

私はペットショップで購入した方が、のちのち生態系に影響が出るような気がします。

プロも子どもも一律で昆虫などの採集を禁止としている公園の看板などを見ると悲しくなります。クワガタムシなどを転売するために昆虫を捕まえるなどは禁止だと思いますが、子どもの昆虫採集を禁止する理由が分かりません。是非とも子どもたちには生き物を採集して、広い世界への興味を広げてほしいものです。

ただし、外来種など生態系が壊れるおそれがあるものについては、別の話です。

ザリガニ

ザリガニ

ザリガニは、すさまじい繁殖力です。

すでに、日本にはアメリカザリガニしか生息していないのではないでしょうか。

子どものころは、ニホンザリガニを捕まえたことがあるという同世代の方が多いのですが、私はアメリカザリガニしか捕まえたことがありません。

日本ザリガニを捕まえたことがある人に聞くと、ザリガニを捕まえに行ったときに、アメリカザリガニを捕まえたときは「あたり」で、ニホンザリガニは「はずれ」と言われていたらしい。

アメリカザリガニは、赤くて大きくて体もシュッとしてて、日本ザリガニの全く逆。子どもには人気があったようです。

その人は、「今、思えば、逆だった…」と言って残念がっています。

私が子どもの頃は気にもしていませんでしたが、ビオトープに放り込んでおくと、ザリガニはまたたく間に増えます。ヌマエビやスジエビはビオトープに入れておきたいので、ビオトープに放り込むときに、その個体がエビなのかザリガニなのか一匹一匹確認しながら入れる必要があります。

ハサミの大きさが違うので、簡単に仕分けられます。

 

ザリガニが増えると生態系は一気に崩れます。奴らは食い意地が張っているので、生き物は激減して、水草すらも食い尽くしてきます。ホテイアオイも食べてしまいます。

しかし、ザリガニは酸欠に弱いようです。

電気代がもったいないと思い、ひと冬の間ポンプを止めたことがあります。その春には、ザリガニは全滅していました。

 

ビオトープでザリガニがスズメを捕食しているところを見たことがあります。襲う瞬間を見たわけではありませんが、スズメが水を飲みに来たところを襲ったのでしょう。

さすがにビビりました。恐ろしいやつです。

 

ところで、現在、アメリカザリガニは飼ってもいいことになっていますが、繁殖力が高く固有種に大きな影響を与えている外来種ですので、時間の問題で飼育が禁止されるだろうと思います。

実際のところ、住宅地で飼ったとして、側溝に逃げたりして広がらないとは言えなくないですからね。ザリガニには手を出さないほうがいいかもしれません。

生態系への影響が深刻な外来種のアメリカザリガニとアカミミガメ(ミドリガメ)について、中央環境審議会野生生物小委員会は23日の会合で、新たな個体の輸入や販売、野外への放出を禁じるとした答申案を正式に取りまとめた。一般の人が野外で捕獲した個体をペットとして飼ったり、譲渡したりすることは認める。(日経新聞 電子版)

アメリカザリガニ規制へ 販売・放出禁止、飼育容認 - 日本経済新聞
生態系への影響が深刻な外来種のアメリカザリガニとアカミミガメ(ミドリガメ)について、中央環境審議会野生生物小委員会は23日の会合で、新たな個体の輸入や販売、野外への放出を禁じるとした答申案を正式に取りまとめた。一般の人が野外で捕獲した個体をペットとして飼ったり、譲渡したりすることは認める。環境省はこうした規制を導入した...

ブラックバス

ブラックバス

たまたま釣れたからといって、ブラックバスをビオトープに放り込んではいけません。

メダカを食い尽くします。危険です。

といっても、ブラックバスはメジャーですので、みなさんご存知だと思います。

小学生のころは、よくルアー釣りに行きました。

実際に、こいつは特定外来生物に指定されていて、飼育、運搬、保管等が禁止されています。違反した場合には法律によって罰せられます。

とある自然団体の子ども向けの主催で、川の魚を捕って食べようというイベントがありました。そのときにブラックバスのフライを食べたことがあります。

「あっさりしていて、美味しい」というのが素直な感想です。

これなら売れるんじゃないのか?と思いましたが、流通していないところを見ると、ペイできないのでしょう。

ブルーギル

ブルーギル

「馬鹿でも釣れる魚」がブルーギルです。私が小学生のころはそう呼ばれていました。

そこらじゅうの池や川にたくさんいます。ちょっと小さめの平べったい鯛のような形の魚です。

とにかく、なんでも食いついてきます。だから誰でも釣れる。

メダカでもなんでも食べ尽くすんでしょうね。

このブルーギルも特定外来生物に指定されており、その飼育、運搬、保管等が禁止されています。違反した場合には法律によって罰せられます。

ウシガエル

ウシガエル

なんだか気持ち悪い系のカエルがウシガエルです。

目の後ろのくぼみが気持ち悪いと私は思います。鳴き声は牛というか、周りに響き渡る低音です。初めて聞いた人は、カエルと感じないと思います。私の経験上、オスしか鳴かないです。

こんなものをビオトープに入れると騒音公害になること間違いなしです。

また、なんでも食べるということなので、庭のビオトープには不向きでしょう。

このウシガエルも特定外来生物に指定されており、その飼育、運搬、保管等が禁止されています。違反した場合には法律によって罰せられます。

ミドリガメ

ミドリガメの子ども

ミドリガメは、小さいときは可愛いです。ペットショップでも販売されています。子どもの頃に買ってもらったことがあります。

本名は、ミシシッピーアカミミガメです。ミシシッピー川が出身なのでしょうが、最近の日本の池や川にはこのミドリガメが本当にたくさんいます。クサガメやイシガメの縄張りをかなり侵食しているようです。ミシシッピー川にいたのですから、ワニと共存していたやつらです。クサガメやイシガメなどなんともおもっていないでしょう。

このミドリガメが大きくなると可愛げがなくなります。

ミドリガメの成体

全然、可愛くないですね。

可愛いと思って、購入したらどんどん大きくなります。体の大きさに合わせて食べる量も増えるので、糞の量も増えます。糞の量は多すぎると水質の悪化に繋がります。

ザリガニのところで書きましたが、ミドリガメの飼育が禁止されることは時間の問題と思われます。

ビオトープには入れないほうがいいでしょう。

個人的には、日向ぼっこする生き物は見ていてほのぼのできるので好きです。

カメもそうですが、ネコもいいですね。

クサガメ

クサガメの子どもゼニガメ

クサガメの幼体はゼニガメとしてペットショップなどで販売されています。元々、ゼニガメはイシガメの幼体の別名だったのです。

イシガメがレアですので、数が多いクサガメの幼体をゼニガメと呼ぶ状態が定着しました。

実は、クサガメは日本固有種っぽいのですが、クサガメは江戸時代に日本に入ってきたらしいので外来種にカテゴライズされています。うーん、難しいです。どの時代に入ってきたものから外来種なのでしょうか。外来種は人間が持ち込んだものという定義なんでしょうね。

どっちにしても、クサガメも外来種とはいえ、すでに日本中に広がっています。ビオトープに放り込むことに問題があるのかどうか…、現状では問題ないと感じますね。法的にも問題はないようです。

ちなみに、クサガメを捕まえてバケツに放り込みますが、すぐに糞をします。捕まえられたから糞をするのか、常に糞をしているのか分かりませんが、これが臭いんですね。そのため、「臭いカメ」と呼ばれていたことから「クサガメ」というふうに呼ばれるようになったと子どものときに周りのお兄さんから教えられました。

実際は、クサガメは敵に襲われたときなどに足の付根の穴から臭いニオイを出しているらしいのです。大人になってから知りました。

ちなみに、子どものころは、イシガメとクサガメの違いを理解していなかったこともありますが、イシガメを捕まえたことはないと思います。

大人になって知りましたが、まさかクサガメが外来種だったとは驚きました。知らないことだらけです。

カダヤシ(メダカもどき)

カダヤシ

カダヤシメダカとの最大の違いは卵胎生というところです。

メダカと生態は似ていて、ボウフラを食べてくれるので、端から見ているとメダカと変わるものではありません。

でも、外来種です。世界中でメダカの領域を侵しまくっているという恐ろしいやつです。

メダカ

こちらがメダカです。

外見の一番の違いは、カダヤシの方が尾びれが丸く、腹ビレが短いことです。せっかくなので、ビオトープには、メダカを放した方がいいですね。

植物

ビオトープで生き物を採るついでに植物も持って帰ったりしましたが、ここでも注意を要します。

これらの植物は簡単に増殖するものが多いのです。最初は育って増えてくると嬉しいものですが、増えすぎると、今度は減らすための管理に苦労することになります。

さらに、駆除することは一段と大変ですので、植物はできる限り植木鉢に入れて沈めたほうがいいと思います。

採ってきた植物を移植することはダメだという方がいますが、そうなると、植木屋は大変です。

ペットショップで購入した方が生態系に影響が出るような気もします。やはり、同じ河川水域の水草を持って帰ることがベターでしょう。

ただし、外来種など生態系が壊れるおそれがあるものについては、別の話です。

ウチワゼニクサ

ウチワゼニクサ

かいわれ大根のような茎の上に丸い葉っぱが載った植物は特に注意が必要です。ウチワゼニクサというものです。ウオーターマッシュルームとも呼ばれています。それぞれ根茎でつながっており、繁殖力が尋常ではありません。

生え揃う前は可愛い感じに見えていましたが、増えまくるとまったく可愛くありません。駆除するためには、徹底的に抜くしかありません。

私は完全駆除に成功しましたが、苦労しました。見える限り抜いて、少し生えてきたらまた抜いての繰り返しです。根をすべて抜かないと駆除できません。

この草はペットショップでも販売されていますが、植えないほうがいいと思います。こちらも外来種ですが、外に捨てたりすると大変なことになります。

ちなみに、ブラジルチドメグサという非常に似ている植物もあります。こちらは特定外来生物として栽培、運搬、保管、植え替えなどが原則禁止されています。

ホテイアオイ

ホテイアオイ

ホテイアオイも浮かべたことがあります。紫色のきれいな花が咲きます。

ですが、ホテイアオイもものすごく繁殖します。増えると水中が見えなくなります。水は浄化されるようですが、水面が見えないので、何をやっているか分からなくなります。

実際のところ、ホテイアオイが繁殖しすぎると太陽光が水中に入ってこないので、他の植物や生物には悪影響があるような気がします。ホテイアオイだけが元気になって生物の多様性が失われいく感じです。

そのため、我が家のビオトープからホテイアオイを完全に排除しました。

庭のビオトープ程度であれば、駆除が簡単なところがまだマシです。

ホテイアオイは、ホームセンターなどでも売られていますけど、これも問題のある外来種ですね。安易に川などに捨てたりしてはいけません。

花菖蒲

黄色い花菖蒲

敵というほどではありませんが、花菖蒲も元気です。

元々、花菖蒲は水に活けて育てるものではないそうですが、水辺だと美しく見えるので、花の時期だけは水を張ったりするらしいです。

我が家では、ビオトープの中と庭先とで育てているのですが、土に植えているものよりも水中で育っている花菖蒲の方が断然元気です。

そして、花菖蒲も元気に増えまくります。ホテイアオイほどではないにしても、水中で育てている花菖蒲は毎年伐採が必要になります。

ビオトープは水の栄養価が高いので育ちがいいのでしょう。花もきれいですが、花が咲いていなくても花菖蒲は、見た目に涼しげですので、ビオトープに少しだけ残して楽しんでいます。

まとめ

ハッピーモルモット

ビオトープに入れてしまった敵や入れてはいけない敵の特徴と対策についてまとめましたが、いかがだったでしょうか。

せっかくビオトープを作るのですから、日本古来種だけで作りたいとみなさん考えられていると思います。

でも、なかなか難しいものです。あのクサガメでさえ外来種ですからね。私達は、アマチュアですから細かいことまで把握できません。ビオトープライフを楽しむためには、ぼちぼち勉強していきましょう。

DIYでビオトープを作って遊ぼう!
ビオトープとは、ギリシャ語の「bios(生物)」と「topos(場所)」の合成語で、生物が自然な状態で生息している場所を意味します。 水辺じゃなくてもビオトープと呼んでいいようですが、ちまたでビオトープと呼ばれ...