はじめに
実践編は、実際に屋根塗装を行うときの注意点が中心です。
ペンキの塗り方や命綱の設置方法など怪我しないように塗るための情報です。
安全第一はすべてのルールに優先します!
ちなみに、うちの屋根は合計で70平方メートルといったところでしょうかね。
足袋を履く
初めて足袋を履きました。
結構、面倒なものでした。
写真のように引っ掛け金具が大量に付いていて、これを足元から順番にきっちり止めていきます。
順番に止めたら外れにくいのですが、付けようとすると外れたりして、少々コツが必要なようです。
履きました。
結構、快適です。
しかし、一度脱ぐと履くのが大変です。
家の中に忘れ物をした場合などは、足袋の上からビニール袋を履いて家の中に取りに行っていました。
安全具(ロープ)の設置
DIYで必ず抑えておかなければならないのが、安全です。
今回の屋根塗装は、転落事故だけは防がねばなりません。
準備編などに書いたとおり、今回は足場を設置せずにロープを命綱として利用しました。
最悪転落したら死んでしまいますが、ロープさえあれば転落しても打撲程度で済むのではないでしょうか?
我が家のざっとした状況ですが、家の裏に柵があり、家の表側に樹木があります。
#実際は、樹木の1本は、カーポートです。
#実際は、イラストのような単純な切妻造りでもなく、総2階建てでもなく、ざっと6ブロックに分かれていますが、この方法でやりました。
当初ロープ案(ボツ)
最初に考えていた案です。
余裕をもってロープを張れば、屋根のどの位置にいても体のそばにロープがあるので、転倒したとしてもロープをつかめます。
ロープさえつかめたら、転落することはないでしょう。
ロープ設置位置(採用案)
しかし、実際のところ転倒した際に、本当にロープをつかむことができるのか?
よくよく考えての結論が下記の案です。
この案であれば、どちらに転落してもロープによって転落しないことが明らかです。
我ながらすばらしい案だと思います。
実際のところ、柵の強度が足りないかもと思いながらやりましたけどね。
こんな感じでがっつりと木にくくります。
体重を預けるわけですから、それなりに太い木にくくりつけたいです。
屋根の上です。
写真の左からと右からのロープが屋根の上で交差しているところです。
ロープの自重で屋根からロープがすべり落ちてしまうので、ロープ相互を紐でくくっています。
実際のロープ張り作業ですが、結構大変です。
何度も屋根に上がったり降りたりするので、効率よくやりたいものです。
1 屋根に上がって屋根から滑り落ちないように上手にロープ1を下に垂らす
2 ロープ1を樹木に固定する
3 屋根に上がってロープ2を逆面に垂らす。(紐で設置済みのロープ1にくくっておく)
4 ロープ2を柵に固定する
この作業だけで、なんだかんだで30分以上かかってしまいます。
何度もやれば慣れてきますが、最初は50分ほど掛かりました。
気持ち的には、屋根に上がったり下がったりするので、ペンキを塗るよりも面倒な作業です。
屋根洗浄
ペンキを塗る前に汚れを落としておくことが重要です。
また、ペンキ屋さんには、古い塗装を剥がすことが重要とアドバイスを受けました。
古いペンキが残ってないほうがいいんでしょうけど、完全に剥がすことは無理ですね。
あんまり気にせず剥がれやすくなっている古い塗装は剥がす気分で作業を進めました。
実際は、古い塗装よりも苔などのほうがよっぽど目立ちます。
ちょっと分かりにくいですが、薄緑色は苔というかカビというかそんな感じの植物的なものがこびりついています。
スレート屋根が劣化して雨水を吸収した状態になっているため、そこに苔が生えるようです。
明らかに南面よりも北面の方が苔が多かったです。
苔以外にも鳥の糞や虫の死骸などそれなりに屋根には落ちています。
拡大するとこんな感じ。
カビのような感じですね。
屋根の端部の樋のところです。
こちらは、カビというより明らかに苔が多いです。
ホコリもたまっているのでしょう。
ついでに壁です。
2階の壁部分です。
カビっぽいものが生えています。
北面は環境が厳しいですね。
カッパやヘルメットを装備して高圧洗浄します。
高圧洗浄機を屋根の上に持ち上げても転げ落ちそうなので、脚立に引っ掛けて使いました。
ポイントは雨の日にすることですね。
小雨の日に決行しました。
近所にゴミをばらまきにくいことは間違いありませんし、窓も開けていないでしょうし、汚れも取りやすいです。
しかし、滑りやすいのでかなり危険です。
当然、ロープも装備しています。
壁も高圧洗浄機で洗います。
きれいに取れます。
こういうときじゃないとチャンスはないですのでね。
こちらが洗浄前
こちらが洗浄後です。
ちょっと分かりにくいですが、洗浄後のほうが緑がかかっていないことが分かります。
乾燥は丸2日掛けなさいというのが、ペンキ屋さんのアドバイスです。
作業時間ですが、屋根の汚れ具合によりますが、丸1日掛りました。
高圧洗浄機はうるさいので、
壁までやると結構たいへんです。
バケットの細工
このローラーバケットなのですが、屋根の上ではかなり傾斜がきついのです。
ペンキ塗りにかなりの支障をきたすほどの傾斜なのです。
そこで、ローラーバケットに少し細工をしました。
ローラーバケットの裏に2×4材を取り付けます。
木材では滑りそうなので、バスタオルを重ねます。
ガムテープで固定します。
このときに屋根面に接するところはなるべくガムテープではなく、タオル生地にしておいたほうが滑りにくかったんじゃないかと思います。
屋根上に置いたところです。
傾斜を測定せずに、適当な感覚で作りましたが、まあまあの出来かな。
しかし、ペンキが多いと自重で滑り落ちます。
下にペンキがばらまかれると大惨事となりますので、慎重に・・・
下塗り塗装
ローラーは毛が長い方が断然いいです。
塗りムラは出るかもしれませんが、屋根上の作業を短縮するためにはベストな選択だと思います。
なお、シーラーはペンキに比べて断然かんたんです。
まず、ペンキと比べて粘度が低い(水っぽくサラサラ)ので、塗りやすいのです。
洗浄後の屋根です。
シーラーを塗ったあとの屋根です。
光っている感じが分かりますか?
シーラーさえ塗れば、雨水の弾き方も変わります。
スレート材も強度を増しているようにも感じます。
塗りやすいので、塗装時間も短いです。
作業時間はざっと合計4時間ほどでした。
水を塗りたくるような感じなので、たいして時間は掛かりません。
気分的なことと天気の変化もあって、延べ3日作業しています。
中塗り塗装
スレートは凸凹があってローラー一回ではなかなか塗れません。
そのため、長めの毛のローラーをおすすめします。
また、スレートが重なっているところはローラーでは非常に塗りにくい。
重なり部分は、刷毛で塗るほうがいいです。
ということで、どうせ刷毛で仕上げをするので、ローラーでざーっと塗ることをおすすめします。
ローラーで頑張ったところで、べっちょり厚化粧という感じになっちゃいます。
なお、ペンキは粘度が非常に高い(ドロドロ)です。
シーラーのように簡単に塗れません。
同じ面積でもざっと2倍の時間がかかるイメージです。
作業が進まない感があるので、気長にやりましょう。
屋根のてっぺんは鉄製ですが、鉄部のことは気にせずにローラーでガンガン塗りましょう。
最後の仕上げに鉄部を塗装をするので、この時点で鉄部がペンキがかかっていても気にしないで塗りましょう。
刷毛で仕上げしたあとです。
スレート材の重なり部分は多少塗れていなくても気にしなくていいです。
プロじゃないんですから。
多少は目をつぶりましょう。
塗らなかったより断然いい状態になっているのですから。
あと、ペンキはかなり滑ります。
本当に注意しましょう。
私は一度尻もちをつきました。
尻もち程度で済んで何よりですけど。
作業時間は、合計6時間ほどでした。
こちらも延べ3日掛けています。
シーラーよりも断然手間がかかったと感じます。
上塗り塗装
中塗りと同じく、ペンキで塗ります。
そういう意味でも中塗りで多少塗り残しがあっても気にせずに塗りましょう。
塗り残しが多いと中塗りの意味がないですが、DIYですので神経質にならない程度に塗りましょう。
上塗りは、塗らないよりはマシという気持ちで塗りましょう。
中塗り・上塗りを1回で済ませることもありです。
危険を回避できますからね。
中塗りと同じ時間が掛かります。
縁切り
スレートの重なり部分は、雨が侵入した際の出口になりますし、湿気もここから排出されます。
この部分が閉じていると屋根を完全に蓋してしまうことになるので、屋根が腐ってきます。
そうならないために、スレート材の縁切りをします。
べっちょりペンキを塗ったことで、ところどころは接着しています。
実際は、全面的に接着しているわけじゃないので、そこまで気に病むほどではないですが、家から湿気を逃がしやすくすることは重要です。
がっつり力を入れて差し込みます。
上に力をかけると、パキッと音がしてペンキが剥がれます。
この縁切りによって塗装が痛むので先にスペーサーを設置して塗装したほうがいいという話がありますが、スペーサーを入れるなど大変な作業だと思います。
塗装が傷んだところで、この程度なら大勢に影響ないと思いますね。
私は屋根塗装の回数を増やしたほうが断然有効だと思いますね。
なお、縁切り這いつくばっての作業なので、コケる心配がありません。
かなり安全な作業です。
作業時間は2時間かからない程度です。
どれだけベッチョリ塗っているかによるのですが、結構簡単な作業です。
鉄部塗装
屋根のてっぺんや妻側にある鉄部の塗装をすれば完成です。
写真を撮り忘れていますが、鉄部塗装はスレート塗装よりも簡単です。
鉄部はスレートと比べると凸凹がなく刷毛で簡単に塗ることができます。
おわりに
安全がすべてに優先します。
特にペンキは滑りやすいです。
また、汗が屋根に落ちるのですが、この汗もかなり滑ります。
今思えば、シーラー塗装後の汗が一番滑りやすかったような気がします。
頑張りすぎると危険です。
結局、塗装のコツなどどうでもよくて、安全優先に尽きると思います。
ポイント
1 安全第一
2 シーラーは塗りやすいが、ペンキは粘度が高く塗りにくい
3 縁切りを忘れないように